還暦ダイアリー

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シルヴェストロフの『沈黙の音楽』とマンフレート・アイヒャー

本日のお仕事BGMです。

ジャズ好きな音楽愛好家には有名なECMというレーベルがあります。

ECMは1969年、ドイツ人のマンフレート・アイヒャーによって設立されたジャズレーベルで、マル・ウォルドロン の『Free at Last』が記念すべき一枚目のアルバムとして制作されました。

この第1作こそ普通にジャズのアルバムなのですが、制作数を重ねるうちECMレーベルは『沈黙の次に美しい音』を標榜するようになったと言われています。

元々ベルリン・フィルコントラバス奏者でもあったアイヒャーは、沈黙の次に美しい音をクラシック音楽にも求め、ECM NEW SERIESを併せて立ち上げています。

ECM NEW SERIESは、アルヴォ・ペルトスティーブ・ライヒらのミニマル音楽から始まり、有名なキース・ジャレット平均律クラヴィーア曲集アンドラーシュ・シフヤナーチェクアルバムなどに繋がります。先に紹介した細川俊夫の『月夜の蓮』もこのレーベルから出ており、遂に小澤征爾/水戸室内管弦楽団までECMに登場しました。

尚、ジャズにカテゴライズされているのが不思議になるようなECMのアルバムについては追々書かせていただくとします。

 

そのアイヒャーは、ウクライナの戦前生まれの作曲家で、前衛音楽から70年代以降に穏やかな調性音楽へと作風が変わったヴァレンティン・シルヴェストロフの音楽を特に好んでいたらしく、ECMレーベルから多数発売しています。

ECMのおかげで国際的な知名度が上がったシルヴェストロフは、掲題の『沈黙の音楽』をアイヒャーに献呈します。が、何故かこの曲はECMからは出ていないようで、自分のとこのアーカイブにあるのも下記のNAXOSレーベルの録音になります。

 

『沈黙の音楽』が入ったNAXOSのアルバム

曲は、まさに夜のとばりが降りかけてきた黄昏時、アリス=沙良・オットが言う『逢魔時(おうまがとき)』に、静かに、どこからか聴こえてくる瞑想的なワルツやセレナード。旋律に和音を寄せているだけのシンプルな曲調ながら実に美しい音楽たちで、聴き手がいようがいまいが構わず、音楽が沈降することも恐れない感じ。

この曲のNAXOS盤や下のYouTubeのリンクでは割と音量が大きいのですが、ECMレーベルに収められた他のシルヴェストロフの音楽は、わざとやってるとしか思えないほどに音圧が低い。いや、そこまでして沈黙に近づけなくてもいいだろう、と文句を言いたくなる程。

身を乗り出したりエアコンを切らないとスピーカから音が聴こえないのはさすがにイラつくので、ソフトを使って何dBか音圧を持ち上げた音源を別途用意して聴いています。

 

www.youtube.com