還暦ダイアリー

いつの間にか還暦に。されどまだ還暦、人生カウントダウン始まらず

演奏会【マエストロ井上道義、神奈川フィル最終公演の伊福部祭り】

神奈川フィルハーモニー管弦楽団
みなとみらいシリーズ定期演奏会第397回

 2024年7月20日(土)
 横浜みなとみらいホール
 指揮:井上道義
 女声合唱:東京混声合唱
 ピアノ:松田華音

 シャブリエ:狂詩曲『スペイン』
 ドビュッシー夜想曲
 伊福部昭:ピアノとオーケストラのための『リトミカオスティナータ』
 伊福部昭:日本狂詩曲

 

本2024年で指揮活動を終えられる井上道義さんの神奈川フィルの最終公演。尚、5月の日本フィル最終公演は下記にレポートしています。

エストロの最終公演は、日本フィルもNHK交響楽団新日本フィル京都市交響楽団ショスタコーヴィチ。最後の最後である12/30のサントリー音楽賞受賞記念公演(読売日本交響楽団)もメインは田園交響曲、シベ7ですが、ラストはやはりショスタコの祝典序曲のようです。

そんななか、神奈川フィルとの最終公演では、マエストロがショスタコーヴィチと同じようにライフワーク的に取り組んできた(と思われる)伊福部昭がメインに取り上げられました。

特にマエストロが得意としてきて、最近でもゴールデン・ウィークのラ・フォル・ジュルネ・・にて新日本フィルと、また昨年のNHK交響楽団の定期公演で、あるいは音楽大学フェスティバルオーケストラ公演でと、度々取り上げられた『シンフォニア・タプカーラ』の姉妹作品である、ピアノとオーケストラのための『リトミカオスティナータ』がプログラムに組まれています。

『リトミカオスティナータ』とは、執拗に反復する律動的な音楽という意味らしく、ピアノの松田華音さんが何かに憑依されたように前のめりにオケと共に鮮烈なリズムを刻んでおりました。最後はタプカーラ同様にお祭り騒ぎになって大変盛り上がる。

・・それにしても松田華音さん、ご自身のお美しさとスタイルの良さを強調する素晴らしいドレスでございました。

トリの日本狂詩曲は、第1曲の和の旋律が夢幻に響くヴィオラソロが美しい。ただ曲の魅力としてはリトミカオスティナータには及ばず、ここはいっそ、タプカーラの大盛り上がりで締めても良かったかなと思う。いやもう一度最後に井上さんのタプカーラを聴きたかった。

また前半のシャブリエドビュッシーも満足。ただ、ご自身のブログによると、東京混声合唱団にぬめぬめとした声を求め、うまくできたらしいので、三階バルコニーではなく舞台上の発声で聴きたかったかな。特にセイレーンは男を惑わし海に引きずり込む妖怪らしいので、東混女声の妖術にハマりたかった。

 

また、同じくご自身のブログによれば、この日は風前の灯火と書いているくらいに体調は絶不調だった模様。それでも意味不明な情熱があって公演を成功させたとのことです。

 

石田組長もさかんにマエストロを讃えてました

 

一般参賀中、今月で退団される平尾さんと並んで

パーカッショングループでパチリ。

 

最後になりましたが、プレ・コンサートの平尾さんと6月に入団されたばかりという若き金井麻理さんの二重奏によるマリンバヴィブラフォンだったか?)+ハンドクラップによる共演が余韻があってよかった。最初のシャブリエが始まるまでタンゴの名曲『ポル・ウナ・カベサ(首の差で)』がしばらく頭の中で鳴り続けてましたから。

チケットを買ってあるマエストロの公演はあと一回、新日本フィルとのショスタコ第7番。

そして神奈川フィルの今シーズンは残り二回。ひとつは9月のデニス・ラッセル・デイヴィス指揮によるフィリップ・グラス。幻の映画『Mishima』のための劇伴のピアノ協奏曲版。初演者の滑川真希さん(D.R.デイヴィスとご夫婦らしい)がピアノを弾きます。それと、もうひとつは10月、マエストロ小泉和裕によるプロコフィエフの第5交響曲。これも楽しみ。

以上