還暦ダイアリー

いつの間にか還暦に。されどまだ還暦、人生カウントダウン始まらず

本日のお仕事BGM(世界最高の裏方歌手)

在宅勤務です。なので好きなBGMを好きな音量で流せます。

本日のお仕事BGMは、米国のマーニ・ニクソンが歌ったジェローム・カーンの名曲集、『Marni Nixon Sings Classic Kern』で1988年の録音です。

 

1965年のアカデミー賞8部門を総なめにしたミュージカル映画マイ・フェア・レディ』ですが、検索すると、主演のオードリー・ヘプバーン、共演のレックス・ハリソン、監督のジョージ・キューカーらがオスカー像を手に、にこやかに並んだ写真を観ることができます。

アカデミー賞授賞式

でも、オードリーの手にはオスカー像がありません。内心悔しかったろうと推測しますが、その笑顔からうかがうことはできません。

彼女が主演女優賞にノミネートされなかった背景は複雑なようですが、その理由のひとつに、この映画における彼女の歌は全て吹き替えであったことが挙げられます。

この当時は最高機密だったそうですが、その後、無名のマーニ・ニクソンがゴーストシンガーとして吹き替えたことが明らかにされます。

 

マーニは同様に、映画『王様と私』のデボラ・カー、映画『ウェストサイド物語』のナタリー・ウッドの吹き替えも担っており、『踊りあかそう』だけでなく、あの『シャル・ウィ・ダンス』、『トゥナイト』等々も全て彼女の歌声ですから、マーニ・ニクソンという名前は知らずとも、彼女の歌声は全世界の誰もが知っているということになります。

 

そのマーニ・ニクソンですが、彼女名義のアルバムは2種類あるらしく、そのうちのひとつ、本日のBGMに聴いている『Marni Nixon Sings Classic Kern』を何年か前に入手しました(既にメルカリで売ってしまったので盤そのものはありません)。

内容は昔のミュージカル・ナンバーを華やかなオーケストラバックで歌ったもので、その歌声は確かに聴き覚えのあるもの。

しかし高域などよく伸びているのですが、どこか声の張りが足りない気がいたします。当盤は1988年の録音で『マイ・フェア・レディ』から20年以上も経っておりますから、全く当時と同じとはいう訳にはいかないのでしょう。

 

尚、ジェローム・カーンは戦前のミュージカル作曲家で2回ほどアカデミー賞を受賞したそうですが、日本ではコール・ポーターほど有名ではなく、自分も良く知りませんでした。

ただ、ジャズのスタンダートとして有名な『Smoke Gets in Your Eyes 煙が目にしみる』はカーンが作曲したナンバーで、このアルバムでもマーニがのびやかに歌ってます。

 

Marni Nixon Sings Classic Kern