2024年4月14日(日)NHKホール
マレク・ヤノフスキ/NHK交響楽団
シューベルト:交響曲第4番ハ短調D.417『悲劇的』
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ヤノフスキさん、今年は『トリスタンとイゾルデ』や『指環ガラ』を上野で演奏していたので、疲れてないかが少し心配でしたし、この方のドイツ・オーストリア系の音楽はきっと巨匠風な演奏になるだろうと勝手な予測をしていて、展開がイメージできる反面、そんなに楽しみでもなく出かけたわけです。
その電車の中で前日の公演評をSNSで見ていたら結構な好評価。いやいや、N響で老匠(って失礼な呼称でごめんなさい)、例えば朝比奈隆、サヴァリッシュ、スクロヴァチェフスキ、ブロムシュテットとか、本日のヤノフスキを迎えると、お客さんの評価が何割か増しになるので、きっとソレだなと。
前半のシューベルト。
特に好きでも思い入れのある曲でもなく、むしろ掴みどころがないと感じていた、シューベルトが10代後半で作曲した若書きの曲。
ヤノフスキさんの音楽は、ロマン派の括りであるシューベルトが、憧れつつも批判的でもあったというベートーヴェンの時代感で再現した古典的アプローチかなと思う。おかげで掴みどころがある音楽として素直に聴けました。
自分の中で、全く興味が無い曲から、まーまー好きになれそうな音楽に昇格。
後半のブラームス。
第一楽章冒頭の割とまったりした開始から、あーやっぱり巨匠風な展開かと腕組みなんかしたりする。でもこの楽章の後半あたりからスイッチが入ったようで燃焼度が上昇。あと、普段は三階席まで聴こえない内声を浮かび上がらせる一方で、内声を鎮めるというのもどこかの楽章で聴いた気がする。
終楽章になるとヤノフスキさん動く動く。緩急強弱自在で終わりよければ的ではありましたが、重厚というより自在な演奏。尚、美しい第二楽章が聴きどころでした。
次回N響は20日のクリストフ・エッシェンバッハのブル7。自分の中で爆演指揮者に括っている彼のブルックナーが楽しみでならない。尚、その前日金曜は佐渡裕/新日本フィルのシーズン初日で、メンデルスゾーンの『夏の夜の夢』の声楽が入る抜粋。好きな曲なので全曲で聴きたかったが、これも楽しみ。