自分の音楽アーカイブから猫ジャケットのジャズ・アルバムを3点、ピックアップしてみました。
『The Cats』(1957)
若いころのトミー・フラナガン(P)、ジョン・コルトレーン(Ts)、ケニー・バレル(G)らによるソロ・パートが入れ替わり名技を聴かせるセッション盤。
コルトレーンの名盤、とかで検索してもヒットしないようなマイナー盤扱いかもしれませんが、普通に聴ける佳作で、3曲目のラテン調『Eclypso』が興味深い。
ガーシュウィンの1曲を除き、残りはフラナガン作曲とのこと。
『The Cat』(1964)
こちらはラロ・シフリンのアレンジによる、ビッグバンド編成の豪華サウンドの好バックを得て、ハモンド・オルガン奏者のジミー・スミスが縦横にソロを弾きまくる好盤。けっこう好き。
特に合の手を入れるように突き刺さるホーンセクションが実に気持ち良い。ジャケ写含めて全てカッコいい名盤です。
アラン・ドロン主演の映画『危険がいっぱい』のテーマ曲カバーであるというタイトル曲『The Cat』だけでなく、全編を通してどこか映画音楽のように聴こえるかもしれませんが、それはラロ・シフリンだからです
『Bella』(1990)
美猫ジャケットのアルバムは、イタリアのトランペット奏者エンリコ・ラヴァと、叙情派ピアニストとして有名なエンリコ・ピエラヌンツィ、二人のエンリコによるカルテット作品。
バラード好きの自分はピアノのほうのエンリコ・ピエラヌンツィをお仕事BGMに流すことで、たいへん効率よく仕事がはかどるのですが、このアルバムはかけません。
タイトル曲の『Bella』こそ、ピエラヌンツィのリリカルなピアノにバラーディーなトランペットが相まってとても良い感じに始まります。
が、それ以降次第にラヴァのトランペットが自由に吹きまくりすぎて、バラード展開を期待した耳にはミスマッチに聴こえます。一方で、こういうスリリングな掛け合いが好きな方もいらっしゃるでしょう。
このアルバムの曲じゃないですが、ピエラヌンツィの真骨頂『Mi Sono Innamorato di Te』をお聴きください