仕事では機器開発を担当。他にできる者がいないので、ハードウェア、ファームウェア開発等をひとりでこなしています。
本日はノイズがひどかった基板へコンデンサ2個をあてたパターン修正を実施。会社のデザイン・レビューでは、毎回「抽象芸術みたいだろう?」と主張するのですが、誰にも理解されません(涙)。
こういうアーティスティック(?)な仕事の際のBGMは・・まー何でもいいのですが、本日はモーツァルトのクラリネット協奏曲にしました。
この曲をかける際はアルフレート・プリンツのクラリネット、カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による1972年の大名演奏と決まっているのですが、本日は趣向を変えて名手カール・ライスターのクラリネット、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による1971録音のEMI盤としました。
この録音は夏の間にスイスの避暑地でカラヤンの別荘があったサン・モリッツにて行われたものです。カラヤンの多くの録音がこの地で行われたようですが、きっと夜は宴会でどんちゃん騒ぎ、酒が抜けた昼過ぎからゆっくりのんびりと録音を行っていたと勝手に予想。
再生してすぐに、弦うるさっ、て感じますが、これは弦楽器の人数が多そうなのと教会の残響が長いせいかもしれません。そんなのはすぐに慣れ、避暑地効果なのか音楽を演奏する愉悦に溢れた演奏が展開し、ベーム盤同様の天上の安らぎと和みを感じます。第二楽章がやはり美しい。
この曲の他の演奏にはシンフォニックで堅い演奏があるのですが、芸術的なお仕事用のBGMには向きません。
尚、このモーツァルトは、70年代初頭に行われたカラヤン/ベルリン・フィルがEMIレーベルに残した一連の録音の一つ。
やはりEMI、総じてどうも録音が良くないのですが、グラモフォン盤とまた違うカラヤンの名演奏がつまった貴重な記録です。特に彼が生涯の間に何度も録音したチャイコフスキーの悲愴交響曲の中でも、1971年のEMI盤は屈指の名盤です。