還暦ダイアリー

いつの間にか還暦に。されどまだ還暦、人生カウントダウン始まらず

演奏会【フィリアホール室内楽アカデミア公演(2/11日)】

田園都市線青葉台駅の駅チカにフィリアホールという、席数500ピッタリのたいへん響きの良い音楽専用ホールがあります。青葉台といえば渋谷から遥か遠く、隣は中央林間や町田です。東京の東側で同じ尺で考えると、船橋あたりになりますか。

ホームページより拝借

そんなローカルな地でありながら、フィリアホールの主催公演は都心にある同規模のホール、トッパンホールやらハクジュホール、第一生命ホールなどと比較しても、決して引けをとらない充実した自主企画で運営されおり、年間ラインナップには国内外のトップ・アーチストのプログラムが並んでいます。よく地方の多目的ホールにありがちな興行会社の企画を買ったような主催公演とは異なるのです。

このホールではいろいろと聴かせていただきましたが、忘れ難いのは、何年前だったかメゾソプラノの林美智子さんによる武満徹プロ。魂が震えました。(『女神との出逢い』シリーズの復活を望みます)

難点は主催公演のほとんどが平日14時開始であって、一般的な会社員が足を運びにくいこと。田園都市線沿線のマダムが主な客層なのでしょうか。

 

年間ラインナップ一覧 | 横浜市青葉区民文化センター フィリアホール

 

多彩な主催公演を実施しているフィリアホールですが、教育プログラムにも熱心に取り組んでいます。

本日聴いた室内楽アカデミア公演は、秋にオーディションを通過した受講生が7名(大学生を中心に下は小4から上は社会人まで)、それぞれコンクールでの入賞歴がある優秀な若手演奏家が著名な講師のもと室内楽曲を通してアンサンブルを学んだ、その最終発表会の場となります。

受講生ひとりと講師の編成で、メンデルスゾーンブラームスなど様々な作曲家の室内楽曲の第1楽章だけが7曲と、最後に講師一同でドホナーニのピアノ五重奏曲第1番(第1楽章)が演奏されました。

最後の挨拶で講師代表のチェリスト、海野幹雄さん(昭和的にはイッセルシュテットとのいわゆるメンチャイ協奏曲が有名な、海野義雄氏の息子さんと言ったほうが伝わるかも)が、彼らの顔と名前を憶えて帰ってくださいとおっしゃっておりました。

これは全くそのとおりで、彼らがいつか海外の有名コンクールで受賞したり、オーケストラ公演のソリストとして立つ、あるいは『題名のない音楽会』に出演するなどした際に、俺はあの子をフィリアホールのアカデミア公演で聴いたんだぜ、と誇らしげに語れる日を待ち望むことこそ、彼らへの陰なる応援につながるのではないかと考えます。