先週末になりますが、観てきましたよ、映画『蘇える金狼』のリバイバル上映。
名作のリバイバル上映があると、それが過去に何度も観てきた映画であっても、スクリーンで観る機会はこれが最後じゃないかと観に行くことが割とあります。近年では『明日に向かって撃て』とか『ロシアより愛をこめて』とか。本作も同様。いずれもブルーレイやDVDを持ってましたが(金狼はメルカリで売却済・・)、それでも劇場で鑑賞したい欲求が強いのは、かつて映画少年だったからなのか。
また、初めて入った角川シネマ有楽町も決して広いスクリーンではありませんが、快適な劇場空間を有しており、劇場鑑賞の満足感獲得に一役買っています。
映画『蘇える金狼』
1979年製作/131分/配給:東映
監督:村川透、原作:大藪春彦、脚本:永原秀一
キャスト:松田優作、風吹ジュン、佐藤慶、成田三樹夫、
小池朝雄、真行寺君枝、千葉真一、岸田森、
角川春樹、トビー門口 他
このリバイバル上映のシリーズタイトルは『松田優作の狂気』。
彼は孤高の映画スターでした。
令和に活躍する俳優陣の中で、この映画のダーク・ヒーローを誰が演じられましょうか。何度かドラマ等でリメイクされましたが、あの俳優さんとか、或いはあの俳優さんとか、それなりに力演だったように思えますが、やはり役に取り憑かれた狂気は孤高の松田優作にしか出せない。
またこの映画の昭和感がいい。ハードボイルドなんて言葉は既に死語ですね。
しかも拳銃、お色気、高級車。これはジェームズ・ボンドにも使われるオトコの象徴三点セット。それに加えクスリですよ。令和では製作不可能でしょう。
そして、なんと言ってもこの映画が公開された当時はさして興味が無かった風吹ジュン、いや風吹ジュン様。それなりに歳を重ねた上で、改めてスクリーンで彼女を見るとやたら可愛く見える。
この頃は尖った女優さんでしたが、今では味わいがあって印象に残る良い演技をされていますね。特に『海街diary』の食堂のおばちゃん役が素敵だ。
そして終盤。犯罪に利用し終わったら捨てられるかに見えた京子(風吹ジュン)への朝倉(松田優作)なりの誠意と優しさ。結局、伝わらなければ意味がなく、ラストではああなってしまいます。
松田優作の出演映画で一番好きなのは森田芳光監督の『家族ゲーム』ですが、角川映画じゃないんで今回のリバイバルシリーズにはありません。
尚、4Kデジタル修復版はフィルムグレインもなく綺麗な発色で満足。上映にご興味ある方は、以下の角川シネマ有楽町へのリンクからどうぞ。