還暦ダイアリー

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新潮記事【[小澤征爾さん死去]武満徹さんを世界に送り出した伝説の名曲「ノヴェンバ―・ステップス」初演指揮の舞台裏】

デイリー新潮の新着に、興味深い記事がありました。

 

世界的な作曲家、武満徹の代表曲と言えば、まず『ノヴェンバー・ステップス』を挙げることに異論はなかろうと思います。

ですが、個人的には・・実はこの曲を何十年ものあいだ良く理解できておらず、超がつくほどの『有名曲』ではありますが、記事の標題にあるような『名曲』と冠を付けることには・・あくまで個人の理解が及ばないが故に戸惑いがあります。

 

記事の後段には、この曲を委嘱したニューヨーク・フィルの初演をたまたま聴いていた永六輔氏が「気持ち悪かった」と語っていたこともあって、武満氏は、

「記事引用: アメリカ人にとっては、初めて見る楽器、初めて聴く音色ですから、先入観なく接することができたのだと思います。しかし、やはり日本人には、違和感をおぼえるひともいたようです」

と述懐していたことが書かれています。

 

これを読み、自分がこの曲を理解できないのは日本人だからなのかと、少し納得。

いや、それ以前の話として、和楽器による邦楽を理解できていないことが問題であることも解りました。曲の内容は和楽器と西洋管弦楽の対立と融和ですが、そもそも、琵琶と尺八が同じ高座に上がることそのものが空前であったことを、先程、この記事を読んで初めて知ったわけです。

ですからノヴェンバーより前に作曲された、琵琶と尺八というジャンルの違う和楽器だけの、『琵琶と尺八のための[エクリプス(蝕)]』という曲を理解しなければいけなかった。

「記事引用: これを聴いて、小澤さんはびっくり仰天してしまうのです。そもそも、琵琶と尺八はおなじ和楽器ですが、まったくちがうジャンルで、“共演”することはありえない。それを平然と結びつけて、新しい響きを生みだした。この瞬間から、2人は前人未踏の道に踏み入ることになります」

 

小澤征爾鶴田錦史(琵琶)、横山勝也(尺八)

今も本稿を書きながら、小澤/サイトウキネン、若杉弘ハイティンク盤の『ノヴェンバー・ステップス』を聴き、『エクリプス』も併せて聴いておりますが、曲が醸す雰囲気には浸ることはできますが、やはり全く理解はできていません。

 

この記事には、N響事件後の小澤氏と、『弦楽のためのレクイエム』が音楽以前と国内で酷評されていた武満氏との出逢いから、先の『エクリプス』のテープを持ってバーンスタインに会い、ニューヨーク・フィルの委嘱へ漕ぎつけるくだり、トロントで起こった最初の東洋音楽と西洋音楽との衝突など興味深い内容が書かれています。

さらに『ノヴェンバーステップス』を200回以上演奏した琵琶の鶴田錦史(つるた きんし)氏が実は女性であったという驚きの内容(自分が知らないだけで周知の事実なのかもしれませんが)もありました。

 

ご興味ある方は下記リンクからご一読を。

 

www.dailyshincho.jp