還暦ダイアリー

いつの間にか還暦に。されどまだ還暦、人生カウントダウン始まらず

ベートーヴェンの弟子たちが残したピアノ協奏曲

本日のお仕事BGMです。本日の、と書きながら、この投稿を書くのにアレコレと聴きまくったので10日以上を要してしまいました。

ベートーヴェンの弟子】
ベートーヴェンの弟子と言えば誰を思い浮かべますか?
自分は、最初にピアノ練習曲集で高名なカール・ツェルニー(1791~1857)を思い出します。その次が、最近では伝記本も出版されて、ベートーヴェンの弟子で検索すると上位に名前が出てくるようになったフェルディナント・リース(1784~1838)になります。

カール・ツェルニー (チェルニー) のピアノ協奏曲】

ピアノの練習曲集として、バイエルやブルグミュラーと並んで音楽史上にその名を刻んでいるツェルニーですが、もしかすると、ベートーヴェンの弟子であったことはあまり周知されていないのかもしれません。
ピアノの腕前は確かであったツェルニーですが、もともとが内向的な性格だったようで、人前で演奏することを嫌い、若いころにコンサートピアニストの活動をやめてしまいました。その後は、作曲家、教師、編集者として従事します。
彼は実に良くできた弟子だったそうです。兎にも角にも師のベートーヴェンの仕事が第一で、師がなかなか手を付けられなかった教育分野を担った結果、件のピアノ練習曲集の作曲を始めたということ。だからツェルニー教則本ベートーヴェンソナタを上手に弾けるようになるために編纂されているとか。

音楽教師として理論に根差した指導を行ったツェルニーの弟子には、フランツ・リストやジギスムント・タールベルクがいます。
ツェルニーを経てベートーヴェンの孫弟子と称しても間違いではなかろうと思われるタールベルクは、なかなかに素晴らしい作品を残しており、いつか別に書いてみようと思います。
そして、ツェルニーの元で少年の頃からピアニスト、作曲家として才能を開花させたリストの活躍は、いまさら書きようがないほどの名声と音楽史上の功績を残します。
そのリストは、やがてワーグナー派に与して、ベートーヴェン音楽の後継者を自負するブラームス派と音楽的に対立するのは実に興味深いことです。

以下余談。リストの娘であるコジマは、どろどろの不倫劇ののちにワーグナーの奥さんとしておさまり、息子ジークフリートを出産します。そして1930年頃、ドイツ軍の一介の伍長が、バイロイト音楽祭を運営しつつも、ほぼ老後の余生を送っていたコジマの元へ、ワーグナーへの敬意と憧れを抱いて訪問したことがあるそうです。
その伍長、アドルフ・ヒトラーはやがてドイツ労働党ナチス)を興し、コジマ亡き後の息子の嫁、ヴィニフレートと結託して、ワーグナー音楽を高らかな戦意高揚へと活用しながら世界中を戦禍に巻き込むことになるのですが、それはまた別の話。でも、歴史の連鎖には常に驚かされます。

何となく良い人そうなカール・ツェルニー肖像画

余談が過ぎました。ピアノ協奏曲の話です。

 ツェルニー:ピアノ協奏曲イ短調作品214 (1830年作曲)
  フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
  ヘルムート・フロシャウアー/ウィーン室内管弦楽団

このピアノ協奏曲に聴く作風は、無理矢理に誰かの作風に似ているかと問われれば、ベートーヴェンというよりは、より初期ロマン派に踏み込んだフンメルに近いような気がします。ですが、それは無理矢理に当てはめただけで、曲は独創性に富み、きらきらと跳躍するパッセージや親しみやすいメロディに溢れた名曲です。あれだけの練習曲を作曲したツェルニーですから、メロディメーカーであることは当然と言えば当然。

 そのほかに関連して聴いた曲

 ▶ツェルニー交響曲第1番ハ短調作品780 (1847年作曲)
 ▶ツェルニー交響曲第5番変ホ長調作品番号なし (1845年作曲)
 (作曲年が逆転していますが、合っていると思われます)
  ニコス・アティナオス/フランクフルト・ブランデンブルク州管弦楽団 
 ▶ツェルニー:30番練習曲
  クリストフ・エッシェンバッハ(ピアノ)
 ▶フンメル:ピアノ協奏曲第2番イ短調作品85
  マルティンガリンク(ピアノ)
  アレクサンダー・パウルミュラーシュトゥットガルト・フィル
 ▶ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37
 ミケランジェリカルロ・マリア・ジュリーニ
 ・ワイセンベルクカラヤンベルリン・フィル盤(普門館ライブ)

さらに後年の作品となりますが、ツェルニー交響曲も埋もれてしまっていることが惜しい名曲です。曲はシューマンのような初期ロマン派の堂々とした交響曲。第1番、第2番こそ作品番号が付せられていますが、それ以降は何が残っているのか自分は知りません。いずれにせよ、ツェルニーの作品は練習曲以外の研究がなされていないとのことなので、早く復権して演奏会で聴ける日が訪れて欲しいものです。

【フェルディナント・リース のピアノ協奏曲】

もともと、知られざる名ピアノ協奏曲の作曲家としてフェルディナント・リースの第3番の音源を有してましたが、彼がベートーヴェンの弟子であることを知ったのはつい2年くらい前。在京オーケストラのひとつ、パシフィックフィルハーモニア東京さんが定期演奏会で彼の交響曲第一番を取り上げることになってから気になって調べた結果です。尚、今シーズンの定期公演にも交響曲第ニ番(本邦初演)がプログラムされています。

フェルディナント・リースの肖像画

自分は未読ですが、興味がある方は『ベートーヴェンの愛弟子~フェルディナント・リースの生涯~(かげはら史帆著)』を読まれると良いかと思います。
先のツェルニーが練習曲集の作曲家として名を残しているのに対して、生前は有名で多忙な作曲家だったリースは、没後になると作品が演奏される機会が激減して、次第に忘れられていったとのことです。彼が不幸だったのは、没後からこの21世紀に至るまで『ベートーヴェンの弟子』とレッテルを貼られたせいで、作品も模倣のようにイメージされてしまったことかもしれません。

リースのピアノ協奏曲には第一番がありません。これは彼の協奏曲カウントが楽器で区別していないためです。なので第一番はヴァイオリン協奏曲となります。そして作品番号と作曲年の順が一致しない。これは謎です。以下、ピアノ協奏曲を作曲年の順に並べ替えてみました。

 ▶第6番ハ長調作品123(1806年)
 ▶第4番ハ短調作品115(1809年)
 ▶第2番変ホ長調作品42(1811年)
 ▶第3番嬰ハ短調作品55(1812年)
 ▶第5番ニ長調『田園風」作品120(1814年)
 ▶第7番イ短調イングランドからのお別れコンサート』作品132(1823年)
 ▶第8番変イ長調『ラインへの挨拶』作品151(1826年)
 ▶第9番ト短調作品177(1832年 - 1833年)
  以上、演奏はクリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)、
  ウーヴェ・グロット指揮によるNAXOSの全集でオーケストラは様々です。

 ・参考に簡単な年表を書きます
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番初演 (1808年)
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番『皇帝』初演 (1811年)
  シューベルト交響曲第8(7)番『未完成』初演 (1822年)
  ベートーヴェン交響曲第9番『合唱』初演 (1824年)
  ベルリオーズ幻想交響曲初演 (1830年)
  ショパンピアノ協奏曲第2番初演 (1830年)
  ショパン:ピアノ協奏曲第1番初演 (1830年)
  シューマン:ピアノ協奏曲初演 (1845年)

このピアノ協奏曲全集を一言で表現するなら、まごうなき傑作ばかりと言えるでしょう。作風も古典を基本として作曲年代によって変化しますが、最後年の作品になると初期ロマン派風の香りも漂うオリジナリティの高い名曲が聴けます。ツェルニー同様、いずれの曲も親しみやすいメロディに溢れていて、かなり楽しめる全集です。
初期作品こそ、確かにピアノ協奏曲『小皇帝』かと思う瞬間もあるくらいベートーヴェンを感じさせはしますが、決して模倣とは思えず、師の音楽が好きでリスペクトしたと表現するほうが正しいように感じます。
ベートーヴェンの弟子』のレッテルを返上した上で、リース作品の再評価と復権を望みたいと思います。パシフィックフィルハーモニア東京さんの交響曲初演などの活動に期待したいところです。

 

サントリーホールのこと【オープンハウスと1986年】

【オープンハウス】

本日(4月6日)、所要の帰りにサントリーホールが入場無料のオープンハウスを開催していることを思い出したので、溜池山王で下車して行ってきました。確か10年くらい前にも一度行ったことがあります。
自慢していいのかな?サントリーホールがオープンした1986年からずっと長い年月に渡って通ってますが、多分そのうちの95%はP席(舞台後ろの音響がアンバランスな席で最も安い)に座っています。理由は単に資金不足。一階席に座ったことなんて、オープニングシリーズで若杉弘さんの公演を聴いて以降思い出せ・・いや、もう一回あったような気がする・・くらい縁のない席。
オープンハウスでは、オルガン演奏とか横浜シンフォニエッタの演奏があるので、いろんな席を試してみるつもりでしたが、結論から先に申しますと、結局体調が悪く、演奏開始まで待てなかったこともあり早々に引き上げてしまいました。
帰り際、小ホールを覗いてみると、ミニコンサートは満員立ち見で(ただし、歌手の方の歌よりもお子様の泣き声のほうが大きい瞬間も)、ワイン・セミナーは開始待ちのお客さんが沢山、ガイドツアーも盛況なようでした。
短い滞在時間での成果としては、一番音が良いとされ皇室の方々がお座りになられる『ロイヤルシート』に座ったことでしょうか。以下の写真です。肝心の音は聴けてませんが。

写真から伝わりますかね、来場されたお子様たちが楽しそう。
クラシックの聴衆も高齢化が深刻な昨今、自分も平均年齢上げに加担しているわけですが、この子たちがいずれ客席を埋め、もしかしたらステージに立つ音楽家として育つかもしれません。オープンハウスは良い催しだと思います。来年も日程が合えば行こうかな。

【初めてのサントリーホール体験を思い出す】

1986年10月12日の落成式典ののち、ヴォルフガング・サヴァリッシュさんとNHK交響楽団の第九公演で始まったオープニングシリーズは、カラヤンベルリン・フィルカラヤンは来日できずに小澤さんが代役だった記憶)、アバドウィーンフィルベートーヴェン全曲演奏会、シノーポリ/フィルハーモニアのマーラー復活、内田光子さんのモーツァルトのピアノ協奏曲全曲演奏会、その他、その他、その他、錚々たる顔ぶれによる豪華な演奏会が翌年一月まで続きました。

その時の総合パンフレットが上記の写真。620ページ強もある豪華装丁で確か3500円くらいした。大半は演奏の案内や演奏者の紹介、インタビューなどですが、後半、120ページも使ってホールの構想から設計事務所の専門的な記事、そしてオルガン、チェンバロの製作記事まであるなど、たいへん貴重な資料が掲載されています。

そして、その中の1ページに下記の写真が掲載されています。


この写真は、サントリーホールがオープンする半年前の4月5日(奇しくも?ちょうど38年前の昨日です)、満席のお客さん(サントリーの関係者)を入れた最初の音響実験の様子。
つまり、サントリーホールで最初に客席を埋めて演奏したのはサヴァリッシュ/NHK交響楽団ではなく、その半年前に山田一雄先生とトップ・アマチュアの新交響楽団さんということになります。
作曲家の故芥川也寸志さんが設立した新交響楽団は、極めて音楽性の高い活動がサントリー音楽財団から認められて70年代にサントリー音楽賞を受賞しているほか、こけら落とし公演のトップに演奏された曲を財団が芥川也寸志さんに委嘱していた経緯もあり(推測)、翌日に東京文化会館で本番(千人の交響曲)がある新交響楽団ゲネプロを、サントリーホールの音響実験を兼ねて行うことになりました。

そして、この写真の合唱団の中に自分がいます。ゲネプロサントリーホールで行うと聞いたときは、もうビックリして新交響楽団さんに心から感謝しました。
ゲネプロ当日はワクワクしましたね。ホールに入ると、オープン半年前なのに工事中を感じさせる様子が一切ない内装の綺麗さ、そして既に制服を着たレセプショニストのお姉さま方が配置されていました。
バラバラと入場する我々を恭しく招き入れる際に、ホールを汚しちゃならないので警察の鑑識が使うような靴カバーを渡されます。ちなみにオケの管楽器の方々は、あの水が床に垂れないようにシートを使わされてました。
ホール内へ入ると、当時の他のホールでは見たことのない木のぬくもりを感じさせる豪華さに驚きます。やはり工事を感じさせるものは何もありませんでしたが、オルガンだけはまだ入っておりません。
合唱団の自席に着くと、まず誰もが手を叩いて残響を確認します。当時のコンサートホールといえばトップが東京文化会館で、あとはNHKホール、新宿厚生年金会館、日本青年館日比谷公会堂等々でしたから、それらを凌駕する圧倒的に豊かな響きであることは手を叩いただけで良く解りました。
その後、前半がゲネプロで後半が音響設計事務所による音響実験となります。ステージ上に球体状のスピーカを設置していろんな周波数が混じっていたと思われるノイズを鳴らし、残響特性等を記録しています。我々もお客さんも黙って座っているだけ。確か、低い音のノイズでは天井スピーカも鳴らしていたようです。
その日、ひとつアクシデントがあったことを思い出しました。サントリーホールの建物の上には庭園があるのですが、ゲネプロ中にコンコンコンと庭園を造成中と思われる音がホール内に響いたこと。

以上、長々とすいません。思い出語りでした。

 

紅麹報道について

下にリンクした記事は、紅麹問題で医療機関を受診した方が1000人を超えた、うち、入院患者は188人と記事は書いているのですが、漠然としており、どのような症状かは書かれていません。
問題の腎疾患と書かれていれば信用するかもしれませんが、この内容だけだと紅麹が関係なくても、紅麹を食す対象である血圧、コレステロール等に潜在的な問題を有する方が医者へ行けば、動脈硬化に関連した疾患、狭心症心筋梗塞、あるいは脳梗塞などが発見されて入院する可能性が高いと思うのです。

news.yahoo.co.jp

この記事に関わらず、テレビ局を含めたマスコミ各社は、腎疾患と紅麹との因果関係が未だ明確になっていないにも関わらず、当該製品の買い控えを伝えるだけならまだしも、小林製薬そのものを悪者と決めつけ過ぎに感じます。次のリンクはもっとひどい記事です。

www.dailyshincho.jp

仮に、もし『健康』な方が紅麹を使った食品を摂取して入院、死亡となったら、サプリであっても明らかな薬害となりましょう。そうなれば自分も今後一切、紅麹だけでなく小林製薬の製品を信用せず、絶対に購入することはないと判断します。
ですが、今のところマスコミの情報から煽り成分を除外して慎重に判断するに、紅麹はともかく、小林製薬は信用して良いのではないかと考えます。株価も3/27に底を打って反騰し始めているようで、情報を精査するプロである投資家もそのように判断しているのではないかと勝手に推測しました。

なので、ちょっと高かったのですが写真のナットウキナーゼをあえて買ってきました。今晩から飲み始めています。小林製薬がんばれ。

 

レゴ・フォートナイト【アイスロック・キャッスル編(途中経過②)】

興味ない方にはホント申し訳ないです。ぬるいゲームの話で、ほとんど自分のための記録用に書いています。

前回、新たな開発地として極寒の地に建設造成を始めたと投稿しましたが、大規模過ぎて未だ終わる気配がありません。

dark-matter.hatenablog.com

そんなところへアップデートが入り、何と車を組み立てられるようになりました。こっちも試さなきゃならないということで、今回も途中経過記録。

 

遠景。トップに巨大な尖塔あらわる。この横に副塔を3つくらい建てて壮麗な感じにすることを目標としてます。いつになることやら。建物の中ほどから伸びているのは、エンジン付きの車両を走らせる実験軌道。あとで説明。

 

まだ未完成の中央尖塔を見上げる。雪の夜に撮ったので暗い。

 

中央尖塔のトップにはラマのモニュメント。下から見上げても判別できない。ここは相当に高い標高で、二度と登りたくないので記念のスナップを撮っておいた。

 

氷の巨大岩を抱えた内装。仮の足場があったところに、少しづつ内装を作り込む

 

氷岩のてっぺんは村仕様にしました(村のバージョンアップが面倒です)。ちょこちょこキャラが遊びに来ています。

 

一階にクラフト機械室を設ける。薄っすら白く凍てついています。奥にある堆肥製造機がバイオマス生産にフル稼働中。

 

車両の実験軌道。テスト車両は懸垂式で本体は起動の下にあるので落下しない。その一方で軌道の内側をこするのであまり良くはない。いつか軌道が壊れる。

 

実験車両を別角度から。往復用に運転席は前後に二つ。

 

実験軌道の延伸中。この天空ロードは最終的に海まで伸ばしたい・・が、燃料セルをひとつ作るのも大変で、しかもエンジンのエネルギー効率が悪く、天空ロードは現実的ではない。多分、完成せず実験で終わりそう。

 

バイオマスの燃料コストが高いので屋内自家農園を造成し、現在も拡張中。村人を住まわせ、小麦その他の栽培を委ねたい。やってくれないけど。とにかく、車を走らせるのは大変。

 

以上です。次のレゴフォートナイト・レポートも途中経過になりそう。

 

ウチのわんこの話①【プロフィール編】

そういえば、これまで我が家のわんこのことを書いてませんでしたので、箇条書きですがプロフィールを以下に書き出してみました。

 

犬種:マルチーズ

性別

出身地東京都の西の方

年齢:7歳

名前:ポチ(仮称)

フード:シュプレモ、超小型犬用(大好きではない)

好きなこと:添い寝

二度寝しようとするとスッ飛んでくる。

嫌いなこと:散歩、前足の肉球を触られること(後足は大丈夫。オテならOK)

・飼い主の責任ですが、散歩嫌いにさせてしまった。もしかしたら肉球が過敏なのかもしれない。

好きなもの:おやつ、おやつ、おやつ!

・『ちょいあげ』という百円で買えるシリーズが好き。安上がりでよい。ただ、甘やかしたせいですが、オヤツをもらわないとカリカリを食べない。
・自宅で茹でたササミも大好物。これはカリカリ完食のご褒美。

嫌いなもの:犬、男の人

無駄吠え:マンションなので外廊下に敏感で人の気配に吠える。

噛み癖:なし。

性格:わが道を往く。しかしビビリ。

・家族想いではあるのですが、とにかくいつもオヤツのことしか考えてないので、なかなかその想いが伝わりにくい。

既往歴:皮膚が弱い、ニキビ?あるいは小さい発疹が数か所。涙焼け

超能力?飼い主の帰宅が事前にわかる

・飼い主(自分)が徒歩6-7分離れた駅に着くころになると、ソワソワが始まり玄関前に待機する。乗降者数の多い駅なので音が聴こえるとは考えられず。実は前に飼っていた猫のほうがこの能力が顕著だったので、もしかしたら自分の電磁波的な放射が強いのかなと思ったり。

飼い主に望むこと:主食をオヤツにしてください

飼い主が望むこと:もう少し笑ってくれてもいいのに。いつも必死すぎ

 

おやつください!おやつください!!

 

演奏会【極上の定番定食:日本フィルハーモニー交響楽団横浜定期】

以前の投稿(下記リンク)の最後の方に、余談として日本フィルの労働争議の件を少しだけ書きました。経営が安定した現在も、自分にとっては10代の頃より日本フィルの演奏を聴きに行くことには特別な意味があります。

名匠、渡辺暁雄氏が逝去されてからは、本日の横浜公演を指揮した小林研一郎氏、通称コバケンが日本フィルの音楽的、精神的な柱となって長らく同オケを支えています。

dark-matter.hatenablog.com

コバケン音楽の特徴は、炎のコバケンと称されているように、熱い演奏、あるいはコブシの効いた節回しの演奏など、聴衆を楽しませることをモットーとしています。以前はアンコールにも力を入れており、何曲も披露したり、予定されたプログラムでは使われなかったピアノを出してきてモーツァルトの協奏曲(23番だったかなー)の緩徐楽章を弾き振りしたこともありと、とにかくお客さんへのサービス精神が旺盛。ただ、近年では曲数も減ってきて、定番曲(ダニーボーイとか)一曲という日もあります。

一方、レパートリーの少なさが昔から指摘されています。幻想、チャイ5、オルガン付きをくるくる回してる感じ。以前はブルックナーファンも納得の第8番の凄演奏とか、オペラ、蝶々夫人(日本フィルではありませんでしたが)なども聴いたことはありますが、近年では披露されていません。

でも、それでいいのです。タイトルにも書きました、極上の定番定食。

定期的に食べたくなる、例えば銀だらの煮つけ定食。いつもの御膳なので構えることなく箸をつけますが、銀だらの身を一口食べると、脂がのった肉厚の身が黄金レシピのたれと絡んだ極上の旨さに感嘆、どんどん箸が進み、お酒なんかも頼んだりして気が付くと満腹で、しかもいい感じに酔っている。

 日本フィルハーモニー交響楽団 第395回横浜定期演奏会

  指揮:小林研一郎
  ヴァイオリン:神尾真由子
  オルガン:石丸由佳

  モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番『トルコ風』
  サン=サーンス交響曲第3番『オルガン付き』

 

神尾さんのモーツァルトは全身を使った熱のある演奏。アンコールの目の醒めるようなパガニーニに唸る。

コバケンのオルガン付きは何度も聴いているのですが、いつもサントリーホールで、もしかしたらみなとみらいホールで聴いたのは初めて・・くらいに記憶がありません。

何度も演奏しているレパートリー曲なので練習時間が少ないのかもしれませんが、大好きな第一楽章第二部の胸が締め付けられるような美しさ、第二楽章第二部、オルガン強奏あとのピアノ連弾パートのエスプリ感などがあれば満足。そして派手なコーダ。終わりよければすべて良し、です。

みなとみらいホールのオルガンは結構な音圧もあり、ホルンがベルアップするオーケストラの強奏も相まって、朝比奈隆氏の名著のタイトル、『楽は堂に満ちて』という言葉が浮かんできました。

またコバケンの極上定食を戴きに参上します。

 

リバイバル上映:映画『蘇える金狼』@角川シネマ有楽町

先週末になりますが、観てきましたよ、映画『蘇える金狼』のリバイバル上映。

名作のリバイバル上映があると、それが過去に何度も観てきた映画であっても、スクリーンで観る機会はこれが最後じゃないかと観に行くことが割とあります。近年では『明日に向かって撃て』とか『ロシアより愛をこめて』とか。本作も同様。いずれもブルーレイやDVDを持ってましたが(金狼はメルカリで売却済・・)、それでも劇場で鑑賞したい欲求が強いのは、かつて映画少年だったからなのか。

また、初めて入った角川シネマ有楽町も決して広いスクリーンではありませんが、快適な劇場空間を有しており、劇場鑑賞の満足感獲得に一役買っています。

 

 映画『蘇える金狼
 1979年製作/131分/配給:東映
 監督:村川透、原作:大藪春彦、脚本:永原秀一
 キャスト:松田優作風吹ジュン佐藤慶成田三樹夫
      小池朝雄真行寺君枝千葉真一岸田森
      角川春樹トビー門口 他

このリバイバル上映のシリーズタイトルは『松田優作の狂気』。
彼は孤高の映画スターでした。
令和に活躍する俳優陣の中で、この映画のダーク・ヒーローを誰が演じられましょうか。何度かドラマ等でリメイクされましたが、あの俳優さんとか、或いはあの俳優さんとか、それなりに力演だったように思えますが、やはり役に取り憑かれた狂気は孤高の松田優作にしか出せない。

またこの映画の昭和感がいい。ハードボイルドなんて言葉は既に死語ですね。
しかも拳銃、お色気、高級車。これはジェームズ・ボンドにも使われるオトコの象徴三点セット。それに加えクスリですよ。令和では製作不可能でしょう。
そして、なんと言ってもこの映画が公開された当時はさして興味が無かった風吹ジュン、いや風吹ジュン様。それなりに歳を重ねた上で、改めてスクリーンで彼女を見るとやたら可愛く見える。
この頃は尖った女優さんでしたが、今では味わいがあって印象に残る良い演技をされていますね。特に『海街diary』の食堂のおばちゃん役が素敵だ。
そして終盤。犯罪に利用し終わったら捨てられるかに見えた京子(風吹ジュン)への朝倉(松田優作)なりの誠意と優しさ。結局、伝わらなければ意味がなく、ラストではああなってしまいます。

松田優作の出演映画で一番好きなのは森田芳光監督の『家族ゲーム』ですが、角川映画じゃないんで今回のリバイバルシリーズにはありません。
尚、4Kデジタル修復版はフィルムグレインもなく綺麗な発色で満足。上映にご興味ある方は、以下の角川シネマ有楽町へのリンクからどうぞ。

www.kadokawa-cinema.jp